最近、システムの開発のことを考えているので、何か開発するとき一番難しいあるいは重要なポイントは何かというようなことに思いめぐらせている。システムもモノもサービスもみな一緒で結局、多くの人に使って(買って)もらい、喜んでもらえるかどうかに尽きる。
そういうものをなかなか開発することができないのは、思いもよらないものをひらめくことができないことなのか、こんなものを作りたいが作り方がわからない、あるいは作るのが難しいからなのか、使い勝手やデザインがうまくいかないのか、などいろいろな要因がある。
ぼくはこれを解決するには3つIが必要と考えている。Imagination、Idea、Intelligenceの3つのIのことで、「豊かな想像力により生まれた斬新なアイデアを高い知性で実現する」とでも言ったらよいが、創造の3Iと呼んでいる。どれも重要であるのはわかっているが、それに関してある有名な話を思い出した。
“痛くない注射針の話”は皆さんよくご存知だと思いますが、岡野工業の岡野雅行社長(浦和レッズの選手ではありません、念のために)が、0.2mmという蚊の針とだいたい同じ太さの極細の注射針を開発した。プレス加工で実現した信じられないしろもので、製作を依頼したテルモという医療機器のメーカもさんざんいろんなところをまわったがどこもできなかったのを岡野社長が作ってしまった。
この注射針は細く作ることももちろん重要だが、もし細いだけだと液量が出なくなるのでここをどうするかがポイントだったが、実は途中まで太くて先だけが細い形にしたことで壁を乗り越えた。まあ、このアイデアとそれを実際に作ってしまう技術には驚かされる。
で、この“痛くない注射針”で有名になったのは岡野社長であったが、ぼくは待てよと思ってしまった。というのは、その“痛くない注射針”を作りたい、作ってしょっちゅう注射をしているひとに喜んでもらいたいと思ったのは、テルモの企画担当者なのだ。それで何社も頼んで断られてもあきらめずに岡野社長のところに行ったのもそのひとだ。だから、ぼくは最初に考えついたひとがエライのではないかと思ってしまう。テルモの社員をもっとほめてあげたい。
当然、素晴らしいWhyとWhatがあってそれをすごいHow toで実現するのがいいに決まっているが、日本ではもう少しWhatを考えたひとがスポットを浴びてもいいような気がするがどうだろう。