はじめに
企業情報システムに関して、これまで「ユーザ目線のBPM」と「ビジネスコンポーネント指向開発」というテーマで書いてきたが、これらはどちらかというとHow Toに近いもので、その前にそこに至った背景というか、全体感があってこそ意味があることになる。すなわち、その会社の情報システムをどんな「かたち」のものにしたいのかを明確にしておく必要がある。
それってEA(Enterprise Architecture)でしょという声が聞こえてきますが、確かにそうなのですが、何かEAと言ったとたん、すごく難しいような気がしてしまいます。もちろんEAの思想や体系は参考にしますが、もう少し気楽に考えようというのがここでの趣旨です。
簡単に言えば、会社のなかの業務にはどんなものがあるのか、その業務遂行にはどんなシステムが必要で、そのシステムの構造をどうするのかがあり、それをどのように開発して、保守・運用していくのかを明らかにすることである。まあ、全体を構造化すると言ったらいいとも思う。
EAに比べるとはるかに泥臭いし、もう少し「ヒト」の問題にも焦点をあてるアプローチである。結局、すばらしい体系や基準を作ってもそれを実現するのは人間である。しかもすべてが優秀な人間ばかりではないので、いかにその会社のリソースに見合った構造にするかが大事なことである。
なぜ、いま構造化が必要なのだろうか。それを解くキーワードは「SpeedとReach」と考えています。ご承知のようにビジネス環境の変化はものすごい早さですし、ITもどんどん新しい物が出現しています。また、インターネットの普及により販売先や取引先は場所を選ばなくなり、コミュニケーションの相手はすごい拡がりを見せています。こうした、環境変化に迅速に対応しないと企業としての存続が危ぶまれることになります。
そのためにも変化対応力に富んだ柔軟なシステム構造にしておかないと、ITが経営の足かせになるなんてことも起こりえるわけで、早い段階に構造改革に着手しないと大変なことになるのである。というわけでこれから「企業情報システムのかたち」というタイトルで“美しいかたち”について一緒に考えて生きましょう。