昨日の朝日新聞の「私の視点」に邦画の人気について、フラガールのプロデユーサーだった李鳳宇が書いていた。その趣旨はつぎのようだ。
昨年の邦画の興行収入が外国映画を抜いたが、こうしたデータをみると「元気だ」と言える。この隆盛の特徴は、テレビ局の出資がはいっていること、それを支えているシネマコンプレックスである。日本映画人気は、メディアとシネコンの二つの集客システムで成り立っているというわけだ。
しかし、李さんは、映画文化がいい方向に進んでいる実感がないと言っている。最近の映画製作というのは、まず大ヒットした原作が優先で、そこにテレビ局や配給会社が参加する、つぎにみんなが知っている俳優、さらに主題歌を決め、最後に「監督を誰にするか」となるわけで、これでは、「日本に映画はあるけど、映画文化はない」ことになると嘆いている。
ぼくも全く同感で、やはり、映画は総合芸術であり、そこには作家性も必要である。テレビドラマの延長のような作品だとか、荒唐無稽な物語だとか、そんなものが闊歩している限りは、決して日本映画が隆盛だとは到底思えない。
これまでに書いたことだが、あの山田洋次や藤田敏八の映画に対する情熱や藤沢オデオン座のシネコンに負けない運営だとかがだんだん消えざるを得ない風潮が恐いのだ。単なるお金儲けの手段としての映画ではあってはならないと思う。だから、興行収入は増えたかもしれないが、観客動員数は増えていないという現実を何とかしなければ、表面上は元気があるように見えても長続きしないですぐに終わってしまうのではないでしょうか。