Webの世界を見ると分かってくること
SAPのような企業の基幹システムの話とは別に、Webの世界で起きていることを簡単にレビューしておく。
まずはWebサービスという概念であるが、当初はSOAP、WSDL、UDDIというどちらかというと技術的な側面が色濃かったが、近頃ではサービスという意味合いも出てきていて、例えば、GoogleMapsに代表されるように公開されたWeb APIを使ってMashUpされたWebアプリケーションが続々登場しています。
技術的にもSOAP/WSDLに似たRESTなどが出てきて、今後REST準拠のWebサービスが企業のシステムには入り込んでくる可能性もあると思われる。REST(Representational State Transfer)を説明するのはむずかしいのですが、基盤となるアーキテクチャスタイルのひとつで、といっても抽象的でよくわからないので、リソースの状態の表現、例えばヤフーから得られた東京の天気予報などを指しますが、それをサーバーからクライアントに転送することとでも言ったらいいのでしょうか。
GoogleMapsのようなWebサービス以外でも、del.icio.usのようなソーシャルブックマークサービス、flickerのような画像共有サービス、mixiのようなSNSといったサービスも揃ってきました。これらがすぐに企業システムに使われるかというとそうではありませんが、例えば、路線検索サービスが旅費清算システムに組み込まれるといったことは現実になっているわけですから、様々な形のマッシュアップが今後増えてくると考えられます。
マッシュアップは、SAPの説明のときに言った「機能を組み合わせてプロセスを作る」ことと同義であると言えないことはないと思います。
野村直之さんの「Web2.0 for Enterprise」では、超短寿命時代の企業情報システム実現のために採用されるであろう手法について予測している。
(1)「エンタープラーイズ・マッシュアップ」(クライアントサイド)
(2)「XMLDBのスキーマ拡充やミドルウエア」(サーバーサイド)
(3)「軽量言語(Ruby on Rails等)の活用」(比較的小規模なサーバー)
(4)「“軽量”Webサービスやmicroformatsで連携」(必要な部分だけ作る)
これらを見ていくと自前のアプリを簡便な手法でWebサービス化したりして疎結合で安定したシステムを素早く作ろうという方向性が浮かび上がってくる。
業務プロセスのひとつの機能をサービスとみたてれば、これもまさにSOAの基盤の上にのったBPMと言えないこともない。
こうして、SAPとWebの世界を眺めていくと、最近の企業情報システムのあり方が見えてきたのではないでしょうか。そして、これらのアプローチや考え方、さらにはテクノロジーを融合して行こうというのがこの議論の大きなねらいのひとつなのだ。
なお、Web2.0の技術やビジネスモデルにについては後述する。