DOAによるデータモデリング
DOA+の手法についてはいくつかあって、代表的なのが「T字形ER手法」、「THモデル手法(PLAN-DB)」、Xprime(Xupper手法)、「三要素分析法(渡辺法)」などである。それぞれ特徴があるが、THモデル手法を開発したデータ総研の椿さんの考え方を中心に書いてみる。
前にも言ったように、業務モデルは「プロセスモデル」と「データモデル」から成り立っていますが、この業務モデルは実装独立であることが重要です。例えば、受注という業務を考えたとき、顧客、商品、数量、納期、金額などのデータが扱われますが、これはいつの時代でも変わらないもので、変わるのは実現手段です。従って、業務アプリケーションソフトウエアは「業務モデル」を実装手段を用いて実現したものとなります。ここが今まで一緒くたになっていたと思われる。
さて、業務モデルの構成要素を椿さんは次のように定義しています。
クライアント側の要素 : 「人」と「IO」
サーバー側の要素 : データベース、エンティティ、データ項目
これらの要素をフロー図やIOイラスト、概念DB構造図、データ定義書などに表現するわけです。そして、こんなことも言っています。
われわれの夢は、今は価値がないとされる業務モデルのコンテンツが流通し、市場価値を持つようになることです。ある単位の業務モデルリポジトリのコンテンツをライブラリとして貯え、これを適宜選択・組合わせて、自社に合ったデータモデルを構築することができれば、「パッケージに身体を合わせろ」と言った妥協を大幅になくせるものと考えます。これをアメリカより、1年でも2年でも早く実現するのです。そうすれば90年代に付けられた差を一気に逆転する可能性すらあるように思うのです。
そうですよね、椿さんはもう70歳を越えて益々元気なひとで、そのアグレッシッブさには頭が下がりますが、ぜひ夢を実現していきましょう。
つぎにDOAの条件として、「データ先行・リソース先行・概念先行」ということになります。データをプロセス/処理に先行して考え、イベントデータ(受注・出荷・請求など)より先にリソースデータ(社員・顧客・商品など)を固め、物理データベースより概念データベースを先行するという意味です。
こうして、DOAで業務アプリケーションの開発をやってみると、データ構造からみてつぎの6種類に分類できると言っている。
A.建設:見積-受注-建設計画-建設-検収
B.生産財製造業:受注-生産計画-生産-出荷
C.消費財製造業:販売計画-生産計画-生産-受注-引当-出荷
D.卸業:販売計画-仕入-受注-出荷
E.小売業:販売計画-手配-販売
F.サービス:契約-設定(工事/担保)-サービス-検収
また、企業はこのように基幹系業務は、A-Fの6種類に分類できるが、企業にはこのほかに、次のようなリソース(経営資源)整備軸とも言うべき6種類の業務アプリケーションがあるとのこと。これは、別な言い方をすれば、コア業務システムを支えるサポートシステムとも言える。
1.人材調達・育成(人事)
2.市場開発・保守(CRM)
3.設備建設・保守
4.商品開発・改良(PDM・PLM)
5.資金調達・利殖(財務)
6.情報システム開発・保守
まあ、ここではDOAがメインテーマではないので、かなりざっくりとポイントだけ書いてみましたが、何となくBPMとDOAの関係がわかったでしょうか。
例えば、上記業務アプリケーションに必要なデータモデルがあるでしょうから(なかったら、この手法で開発する)、それを使ってBPMでプロセスモデルを生成するというスタイルは有効のような気がします。というより、データモデリングとうまく連動しないといけないのです。
この他、これから注目したいのは、羽生章洋さんのABD(Activity Based Datamodel)や仕事の流れを表現するマジカあたりで、気になるところです。