Web2.0の技術は外せない
Web2.0の技術に関するキーワードを「WEB2.0 キーワードブック」(翔泳社)から拾ってみると、REST、XML、RSS/ATOM、URI、Ajax、Mashup、microformats、WebAPI、PageRank、Skype、があげられています。今後それぞれが多かれ少なかれ企業情報システムに影響を与えていくものと思われます。上記の本の執筆者は錚々たるメンバーでその分野の第一人者ですので、筆者が解説するのも無理があるので、サイボウズ・ラボの奥一穂さんが総括してくれているのでそこのポイントを抜粋する。
まずは、各要素技術をみるとき、サーバー間の連携、クライアントサイドへの処理の委譲、クライアント・サーバーモデルからの脱却という3つの流れを意識する必要がある。
従来型のウェブアプリケーションは、サーバー内に溜め込まれたデータを、サーバーサイドで処理して、ブラウザにHTMLとして配信するという手法でした。これだと、魅力的なアプリケーションを構築するためには、大量の商品情報やコンテンツを保有しなくてはいけなくなり、1社では限界がありました。
それをデータ公開という形で打ち破ったのがアマゾンです。そこでの技術でいえば、セマンティック・ウェブであり、Webサービスです。セマンティック・ウェブの基盤はRDF(ResourceDefinitionFramework)という文書モデルで、これに準拠したものではRSS1.0やFOAFが有名です。Webサービスはネットワーク上の複数のコンピュータで協調処理を行なうための取り組みで、基盤となっているのはSOAP、WSDL、UDDIといった規格です。
この両方ともに属さない技術としては、RSS2.0、XML-RPC、RESTがあります。この中では、RESTがHTTPの機能を多く使うため、ウェブサービスごとに異なる仕様が少なくなったり、ブラウザから動作の確認ができるなどのメリットから、RESTを活用したウェブサービスが増えている。
ウェブサービスに対応したとしても、ユーザが使ってくれなければ意味がありません。そこで出てきたのが、AutodiscoveryとMicroformatです。Autodiscoveryとは、HTMLページ内にXMLデータやXMLAPIへのリンクを埋め込む仕組みで、これに対応したWebサイトであれば、RSSリーダにHTMLページのURLをそのまま入力すれば、RSSリーダがそのページ内からHTMLタグを検出し、RSSの正しいURLを取得してくれる。一方microformatは、HTML内にXML等のちょっとしたデータを埋め込むことを言います。
クライアントの技術としては、Ajaxがあげられます。HTMLの表現力は決して高くありませんので、高度な目的のためにはブラウザでは力不足という認識でした。そこに、JavaScripとHTML、XmlHttpRequestオブジェクトを活用する優れたユーザインターフェースをもつ「Ajax」が登場したのです。入力インターフェースが格段に向上してきている。
その他、GoogleAdSenceで使われるClient-side IncludeやSkypeに代表されるP2Pなどがあります。
最後に、Web2.0的技術に共通する特徴は「目的を実現するためのチープなソフトウエア技術」であると言える。
こうしてみるとWeb2.0の技術というのは、ユーザ指向、サービス指向でその目的にあったものを簡単にさくさくできるための技術のようだ。ということは、いままで論じてきた「ユーザ目線のBPM」にとっては外せない技術であると言えそうだ。前々回提案したワークフローアプリケーションをWeb2.0の技術との組合せで実現しようということの意味をわかっていただけたでしょうか。
企業でいう顧客接点のところでは、Web2.0技術を使ったアプリケーションがすごく有効であり、単体のサービスとともにMashUpされたサービスがどんどん供給されてくる。ほんとうにびっくりするぐらい素早くMashUpサイトはできてしまう。
また、BPMとは多少ずれるが、それ以外の領域でも大いにWeb2.0技術が活用できる。例えば内外の同業他社情報、業界動向を持ってきて事業計画作成の参考にするだとか、全社に散らばっている技術情報を集めて技術マップを作るだとかといった様々な情報処理作業を伴う知的生産活動があるが、こういうところでも有効だ。ネット上の情報のハンドリングは企業内のそれとは比べものにならないくらい大量で複雑であるので、そこでできている技術をうまく利用できれば生産性が大幅に向上する可能性を秘めている。
たとえば、「YahooPipes」をご存知でしょうか。最近、米Yahooが発表した、RSSフィードによって得られるデータを組み合わせ、操作することによって新しいフィードを生み出すことができるマッシュアップホスティングサービスなのですが、簡単に情報の収集・加工ができてしまう。これなどは、情報ハンドリングの強力なツールになるでしょう。
今後、その他多くのWeb2.0技術が企業に浸透していくことだろう。