業務プロセスの適正化
前回、概略のモデリングついて述べましたが、今回はそれをもう少し詳細にみていくことにします。
まず、AsIs先行ですから、最初に現状業務プロセスの抽出を行いますが、これは一般的にやられているように業務フロー図(アクティビティ図という場合もあり)に書き出すことになります。既存システムがある場合はその画面や帳票から抜き出していきます。
また、業務としてのプロセスを捕捉するわけですから、システムで行っているものだけではなく、手作業や外部に委託している作業なども書きだします。業務フロー図は2次元ですから、2軸に何を記述するかがありますが、部署・役割―工程・プロセスというのが普通です。
こうして、AsIsベースの業務プロセスを抽出したら、プロセスと業務機能のマトリックス表(Excel)を作成する。対象プロセスは、プロセス・サブプロセス・アクティビティに階層化される。例えば、受注~売上計上―受注-注文受付というイメージです。
このとき、プロセスは始点と終点が明確になって完結していることが重要なポイントです。そのアクティビティレベルで業務手順、前後のつながり、参照情報、作業手段、帳票、担当者などを記入する。これにより、現状のプロセスと機能機能(アクティビティ)が整理されます。ここでのチェックポイントは、
1.業務プロセスと業務機能が全部抽出されていること
・・・抜けているプロセスや機能がないか
2.業務プロセスが自己完結していること
・・・業務がどこで終わっているか不明だったりしないようにする
さて、ここからToBeへ展開していくわけだが、具体的には、まずつぎのような視点で見直ししていく。
1.業務プロセスとデータが途切れず流れているか(一貫化のチェック)
2.業務プロセスが複雑で分かりにくくなっていないか(シンプル化のチェック)
3.業務機能で似て非なるものがないか(共通化のチェック)
4.同じ業務処理なのに部署によって違っていないか(内なる標準化のチェック)
5.業務機能で例外処理がないか、へんなこだわりはないか(外なる標準化のチェック)
6.電子化やシステムに置き換えられることはできないか(IT化のチェック)
とにかく”シンプルな”業務プロセスにすることが最も重要である。ムダのない単純な構造は美しいものなのです。
上記視点で業務プロセスと機能を見直していく。具体的には、二重入力・起票の有無、迂回路有無、重複作業、分岐処理などいくつかのチェック項目を設け、それを上述の表に追記していく。同時に共通化あるいは標準化できる業務機能を洗い出して、その機能を汎化や集約を行ないながら定義していく。
こうして、共通化、標準化された業務機能からなるシンプルで一貫化されたプロセスができあがる。この一連の進め方を業務プロセスの適正化と呼ぶ。ここをある程度自動化できないかというのが筆者の願いなのです。ツールが適正モデルに誘導してくれるイメージです。BPMSにこうした機能が具備されることを期待している。
さて、ここでとりあえず“きれいな”プロセスとなるが、あくまでボトムアップ的アプローチであるため、ハイレベルな要件があれば、このプロセスに付加して価値を高め、差別化を図っていくトップダウン的作業がある。“魅力的なプロセス”になるかどうかはここにかかってくる。ただし、ここはもちろん自動的にはいかないのでしっかり議論し、ベンチマーキングもしながら知恵を出すことになる。