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2007年03月 アーカイブ

2007年03月01日

ユーザ目線のBPM(3)

ユーザとは誰のこと、そして何を考えているのか

ひと言でユーザといっても様々である。ひとによってはユーザ企業と言ったり、ベンダーにとっては自分たちの顧客企業だったりします。しかし、この括りだとあまりにも広すぎて、どんなものが欲しがっているのだとか、どういうサービスを提供したらいいかなど考えたとき絞りきれないことになる。そうすると、「システムを使う人」をユーザと呼んだほうがよさそうだ。

そういった観点から、企業の中で働いているひとを分類してみると、大きく、経営者(社長)、事業責任者(事業部長)、業務遂行責任者(部長、リーダ)、業務担当者ぐらいに分けられる。経営者は事業部長に事業の執行を負託し、事業部長はそこの部長やグループリーダに対し、事業運営上必要な業務プロセスを正確にかつ効率的に廻すことを指示し、部長やグループリーダは自分の部下ある担当者にオペレーションを実行させる。この役割をはたすために必要に応じシステムを使うひとたちがユーザということになる。

これは、主としてライン組織のことを言っているので、このほかにスタッフを入れてもいいが、システム的にはスタッフ業務のような不定形な支援業務は外して考えてもかまわないので、ここではライン組織にいるひとたちをユーザと呼ぶことにする。

いま、こうして言っていることは上場しているような企業を対象としているが、中小企業の場合は、経営者ひとりがほとんどの役割を持っている。

それでは、それぞれの立場のひとたちは、どのようにシステムを使うのだろうか。また、システムあるいはITに関して何を考えているのだろうか。

まずは、経営者についてみてみよう。経営者はITをどのように使い、その有用性をどう考えているのだろうか。実際の経営者との会話の中で語られたことを今から述べる。

ある時期危機に瀕していた会社を立て直し、中興の祖と言われたような立派な経営者のひとが、あるとき、会社の経営について語ったのだが、しみじみ「経営の歴史というのは、特別損失の歴史なんだ」と言った言葉がすごく印象的であった。

ひとつには、日々努力して積み上げたものが一瞬で消し飛んでしまう恐ろしさであり、また、ひとつの会社のことだけの問題ではなく、社会の一員であるの会社として、その社会環境の大きなうねりの中にいて、いつその波をかぶるかもしれない、そんな中での営みが経営でもあるということを言いたかったと思う。環境問題、事故、ファイナンスの失敗、海外プロジェクトの政治的リスク、合併、コンプライアンス等々、こうした問題で損失を被ることの経営に対するインパクトは大きい。

このような問題に対しITが貢献できるかと考えたとき、何があるのだろうか思ってしまう。ITで危険予知情報を流すことができるじゃないか、みたいに言われるが、本当に役に立つ情報を探し出して提供できるのだろうか。内部の財務データや与信データぐらいはできるかもしれないが、外部についてはおそらく難しいと思うし、経営者も欲してはいないだろう。

また、だいぶ前だがあるセミナーのパネルデスカッションで言ったこともユーザのITに対する考え方につながる話なので、ここで紹介しておく。それは、情報活用についての各社の取り組みを議論というより、紹介し合うようなものでしたが、そのパネラーとして参加して発言したことを少し長くなるが引用する。

情報活用行う上で重要なことがありますそれは3つの度ということです

1、3つの度とは、鮮度・感度・加工度
2、感度というのは情報の送り手と受けての意識がどれだけマッチングしているか、受け手の期待と送り手の洞察力が合うかどうか 
3.加工度というのが結構大事なことで、どういうことかというと、あるとき経営トップと話をしていたとき、事業部などとのヒアリングで分厚い資料を見せられて、どうかといわれるが、そのデータというのはたいていの場合自分たちの都合のいいように加工したもので恣意的なデータであるわけで、そんなものをみせられても困る。いっそ生のデータのほうがましだと言われたことがありまして、しかしだからといって生のデータを渡してどうですかというわけには行かない。どこまでに加工するかが重要なポイントではないか。

では経営に役立たせるためにはどんな情報を提供すべきなのだろうか
1、いまのような話となると、経営としては単なる数値データだけの情報ではもちろんダメ
2、数値データではない情報、内部情報だけではない外部情報も必要
3.死体解剖的な情報から生体ドック的な情報をどう提供できるかにかかっている
  過去のデータみてどうだったかではなく、これからどういう手を打つんだというための情報が重要
4.究極的な言い方をすると社長になれるCIOがどんどん出てこないと真に経営に役立つITを提供できない

ところが役に立つ領域もあって
1、情報活用を考えるとむしろ事業部長とか各部長のところが有効
2、なぜかというとちょうど情報がクロスするところで、経営からの情報、オペレーショナルレベルからの情報がクロスするところ
3、ここの裁き方で企業としての情報活用度が上がる
4.したがって、ここへ向けた仕組みを構築するのが効果的

というようなことをしゃべった。要するに、「経営に貢献するIT」なんて軽々しく言えないなということである。

ですから、大上段に振りかぶって経営戦略がどうのこうのといわず、“会社の業務がちゃんと動く骨太の基本構造をシステム化すること”が最重要で、それは、業務プロセスとそれに情報活用でオペレータやマネージメントを支援するシステムがあれば十分であると思う。オペレーショナルなレベルに近いところのシステム化ということである。

ですから、別の言い方をすると、事業部長や部長クラスのミドルマネジメントにとってはITは非常に有用なツールであると言える。

稚拙なたとえ話で恐縮ですが、経営者は性能のいい車と腕の立つ運転手だけがほしいのであって、自分の行きたいところに自分の思ったように運んでもらえばいいと考えている。余計な機能、例えばスピードが出ているから緩めろとか、この道が早いからこちらを通れとか、それこそもうすぐレストランだからそこで食事せよとか言ってくれるなと思っている。寄り道したいときもあるし、たまにはスピードも出してみたいときだってあるのだ。それは、経営者の頭のなかにあって、それが経営者のシステムなのだ。

よく、えらそうに小声でこれはすごい秘密情報だから、ここだけの話にしておいてくれ、とかさも自分は会社の中枢にいるえらい人かのように言う、まあだいたい中間管理職だがそういうひとがけっこういる。ところが良く考えてみるとそんなものはほとんど秘密情報でもないことが多い。もちろん、新商品の情報とかの本当に秘密にしなくてはいけない情報はあるが、最近はどんどん情報開示の方向であり、かなり少なくなってきている。

それで、その辺を喝破した経営者がいた。曰く「会社の秘密情報は全部オレの頭のなかにある」。そうなのです、最後の最後にどんでん返しとなる企業合併なんか典型です。

ということで、性能のいい車とカーナビくらいを用意しましょうというのがここで言いたいことです。

2007年03月02日

東京スポーツ映画大賞

昨日、赤坂プリンスで開かれた「東京スポーツ映画大賞」受賞式に行ってきました。ぼくの昔の会社の先輩であるQさんの代理で出席です。Qさんは「三重映画フェスティバル実行委員会」の副会長をしている人で、その人に招待状が行って、遠いのでお前行かないかと言ってくれたので、二つ返事で招待状を送ってと頼んだのです。

この映画祭は全国のこうした地方映画祭の投票を参考にして、おそらく審査委員長であるビートたけしの意向で決めていると思うが、そういった関係で各地の映画祭に招待状が行くというわけです。ですから、となりに座った人が「長岡アジア映画祭」の人でわざわざ新潟から来たといって、パンフレットを渡され、ぜひ来てくださいとお誘いをうけた。

この映画祭も16回目で、映画に関する賞とともに「ビートたけしのエンターテインメント賞」の受賞式も同時に行われる。これも今年は7回目ということで、今回の目玉は何といっても特別賞のそのまんま東(東国原英夫宮崎県知事)でしょう。知事になって初めての師弟ツーショットということで大量の報道陣がかけつけ、わざわざ撮影のための時間を設定し、フラッシュがすさまじかった。もう、15分くらいでこれから宮崎に帰るといって去っていった。さすが、同じ特別賞の石原真理子もかすんでしまった。

賞の受賞者はつぎのとおり

第16回 東京スポーツ映画大賞

作品賞 「ゆれる」、監督賞 西川美和(「ゆれる」)、 主演男優賞 木村拓哉(「武士の一分」)、 主演女優賞 蒼井優(「フラガール」)、 助演男優賞 香川照之(「ゆれる」)、 助演女優賞 富司純子(「フラガール」)、 新人賞 木村祐一(「ゆれる」)、 外国作品賞 「父親たちの星条旗」、 特別作品賞 「日本以外全部沈没」

第7回 ビートたけしエンターテインメント賞

話題賞 山本モナ、 日本芸能大賞 春風亭昇太 、主演AV女優賞 青木りん 、主演AV男優賞 該当なし 、タイトル賞 該当なし、 特別賞 石原真理子 、特別賞 そのまんま東(東国原英夫宮崎県知事)

受賞者で出席していなかったのは、木村拓哉、蒼井優、香川照之だった。蒼井優と香川照之はビデオメッセージが届けられていたが、木村拓哉の表彰では表彰状とトロフィーを同じ木村である木村祐一にあげてしまった。ちょっときついしゃれでした。なんといってもぼくにとっては蒼井優ちゃんが来ていなかったのがすごく残念でした。

さて、それぞれ受賞者に対してたけしがコメントするんだけど、これがまたおもしろいのだ。全部を紹介することができないが、なかで印象的なことを少し。いま邦画ブームで洋画の興行収入を追い抜いたとかでみんな喜んでいるが、決してレベルがあがったわけではない、そのなかでは、「ゆれる」と「フラガール」の2本だけが評価できる。「武士の一分」なんかぼろくそに言っていた。「ゆれる」は低予算のなかで、きちんとした脚本でどちらかというと古典的なつくりであり、よくできた作品とほめていた。

面白かったのは、そこでひとつだけ注文をつけるとしたら、8ミリ映写機が登場するがそれが母親のかたみであったというのがどうも違和感があった、当時8ミリ映写機というのはオヤジのものであったはずなので、そこをもう少しひねれたらよかったのにと言っていた。ぼくも、この映画の感想に8ミリ映写機のことを書いたが、あの頃の雰囲気の象徴としての8ミリ映写機を小道具に使ったことにすごく感動した身では、たけしも同様の感じをもったのではないでしょうか。

一方「フラガール」は、もう題名を聞いただけで、どんな映画になるかすぐにわかった。実際の映画もそのとおりになっていた。しかし、そういう映画を高いレベルで作り上げられる力はたいしたもので、できるやつは少ないんじゃないかとこれも高い評価をしていた。

また、KカップのAV女優が、わざとオッパイぽろりとしたのに、間が悪くまったくしらけてしまったが、なぜか司会の江口ともみがKカップと聞いてすごく受けていたのが傑作だった。余談だけど、この江口ともみってたけし軍団のつまみ枝豆の奥さんでオフィス北野所属なんですね、道理でTVタックルなんかに出てるんだ。

あとは、「ゆれる」の若いプロデユーサーがスーツを着て靴がバスケットシューズをはいて登壇したら、たけしがこれをいじり倒して、この日の人気者になってしまった。 まだまだ、「日本以外全部沈没」という映画を作った河崎実監督だとか、東京スポーツの社長がぼくと同じように、「父親たちの星条旗」はよかったけど、「硫黄島からの手紙は」つまらなかったと言う話など、いっぱい面白い話があった。

今回、デジカメを持っていくのを忘れたため受賞式の写真が載せられないが、始まるちょっと前に携帯で撮影したのを載せる。背中が写っているのは石原真理子です。今度はちゃんと持って行くようにしたいと書くと、来年もきっと招待状が転送されてくるでしょう(笑)。いやー、楽しい一日でした。Qさんありがとうございました。

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ユーザ目線のBPM(4)

ユーザと作り手とのギャップ解消の方向性

前回、ユーザの望んでいるシステムはどんなものであるかを示したが、そこでは“会社の業務がちゃんと動く骨太の基本構造をシステム化すること”が重要であると言った。そんなことは、すでにやっているし、できているとみな言うのじゃないか思うが、“ちゃんと動く”ということと、“骨太の基本構造”というところがミソで、ここがほんとうにできている企業は少ないのではないでしょうか。そこを考えていこうと思います。

それには、ユーザとシステムの作り手がうまくコラボレーションしてやれているのかという問題と、システム開発の道具とそれによって作られたシステムの構造の問題が潜んでいると思う。

ここでは、前者のコラボレーションの問題について議論する。

“ちゃんと動く”ということは、ユーザの要求と作り手側の要求実現度と最適化レベルが両者のコラボレーションで行われていることが前提だ。

もう少し噛み砕いて言うと、ユーザはまずは現状の業務をベースにシステムを考える。いわゆるAsIsモデルがまずありきで、そこに今困っていることや変えたいことをそこに反映していこうと通常考えます。ただしこれだけで、あるべき姿ToBeモデルができるわけではありません。

そこで、作り手側の登場です。作り手側は、技術的に要求どおりできないことがあったり、運用上やめたほうがよいことなどが出てきます、こうしたできないことは反映しないと言うわけです。この反映のされ方が要求実現度です。ここを無理だ無理だと撥ねつけるのではなく何とか実現してあげたいとすることもあるし、逆にユーザもシステム技術上の無理難題を押し付けることはしてはいけません。このコミュニケーションが大事です。

そして、作り手側は技術的な観点から、こうしたほうがよいとか、こんなこともできますよという積極的なアドバイスをする役割を担っています。今日、この技術ドリブン発想は重要なことです。

システム開発というのは、家作りとか自動車作りに例えられることがありますが、決定的に違うのは使う人が技術が見えないことだと思う。家や車を買う人は何となくどんな部品でどんな技術で作られているのがわかっているのと、作る前に出来上がりイメージがだいたいできるが、システム開発の場合は、使う人はプログラムソース見たって全く分からないし、出来上がってみて初めてこのシステムってこんな風に動くのか分かったとか、そんなことになる。従って、技術を理解している人がきちんとそこを説明し、技術の活かし方や使い方を提案することが、プロのシステム屋のやることではないでしょうか。こうした、相互の歩み寄りで最適化が可能になるのです。

今はそこのところがどうなっているかというと、ユーザに言われたとおり作るか、システムの分からないユーザに意味不明の三文字熟語を並べ、極端な話勝手にシステムを作ってしまう、いわば両極端のケースが多いのではないでしょうか。

これからはこの中間のアプローチが必要で、そのためにはユーザと開発者(この場合はプログラム製造の領域近い)の距離を縮めることをしていかなくてはいけません。それができるのは、中間にいるコンサル、SEなどですから、そこを埋めていく努力をして欲しいわけですが、実際にはうまくできていないように思われます。

「ユーザがその業務、事業をスムーズに実行できるシステムを開発すること」をめざすのではなく、「ユーザがそのシステムを使って自分たちの業務、事業をスムーズに実行できること」をめざすという、この微妙な違いを理解する必要がある。

で、こうしたコラボレーションをベースとしたシステム開発の進め方でぜひ採用して欲しい考え方がある。それは「デザイン思考」という考え方で、そこにある「創造のプロセス」は、システム開発の場でも十分適用できるものである。

これは、慶応大学環境情報学部の奥出直人教授が提案していて、実際に企業のイノベーションを起すための方法論として注目されている。最近、「デザイン思考の道具箱」という本を早川書房から上梓しているので、その中から、基本的な概念を紹介する。

プロセスは全部で7つのステップから成っている。

ステップ1 哲学とビジョンを構築する
ステップ2 技術の棚卸とフィールドワーク
ステップ3 コンセプト/モデルの構築
ステップ4 デザイン- デモンストレーション用プロトタイプをデザインする
ステップ5 実証
ステップ6 ビジネスモデル構築
ステップ7 ビジネスオペレーション

こうしたプロセスは、まさにこれからのシステム開発のあり方に多くの示唆を与えてくれる考え方であると言える。次回にこの詳細について述べる。要は、ユーザや開発者が一緒になってシステムをデザインしていこうじゃないか、それが役に立つシステムを作ることにつながるということが今回言いたかったことです。


2007年03月03日

テレビ東京

テレビ東京がおもしろい。このテレビ局は、年寄りとサラリーマンにターゲットを絞っているようだ。懐メロや温泉めぐり、鑑定団を放送するかと思えば、かたやWBS、カンブリヤ宮殿とかガイアの夜明けというように、年寄りが好むものと経済の話を中心とした企業人向けに見るべきものがある。

歳を食った一応勤め人であるぼくにとっては、ここのチャンネルに行くことが多い。で、ちょっと前になるが、先週の日曜日の夜は楽しかった。日曜日だから経済の話ではないが、懐かしい人たちのオンパレードであった。

まず、日曜ビッグバラエティで「昭和を駆けたスター同窓会」というのがあって、メキシコ五輪で銅メダルをとったサッカー代表やベルばらの宝塚歌劇団、俳優座、西鉄ライオンズなどで活躍した人が、集まって同窓会を行うという企画。若い人はなかなかわからないと思うが、かれらはみなぼくらにとっては憧れでもあり、ファンとして一緒に少年期、青年期を過ごしたのだ。

特に、ぼくのうれしかったのは西鉄ライオンズで、ぼくは小さいときは野球少年だから、稲尾や中西、豊田、大下、仰木らのプレーに酔ったのを鮮明に覚えている。この放送で何がうれしかったかというとよく稲尾だとか有名な人はちょくちょく顔をだすが、そうではなかった準レギュラーであったとか控えであったという渋い選手が登場したことであった。河野、滝内、和田、梶谷とかいった人が出てきてすごくなつかしかった。

そのあとに、「ソロモン流」という番組でマイク真木の登場です。もう“バラが咲いた”一曲で一生食っていけるという、それだけこの曲はすごかった。単純な歌詞と曲でそこまで売れるとは思っていなかったのだが、結局、フォークソングブームに火をつけたわけで、その時代の新しいスタイルを提示したことが大きいのじゃないだろうか。ぼくも当然のようにギターを買い“バラが咲いた♪バラが咲いた♪”と唄ったのであります。

続いて、「みゅーじん」という番組では中村雅俊です。彼はいまだに人気が衰えず、毎年コンサートも開き、最近では舞台でもがんばっている。ぼくと似たような年齢だから、昔からずっと等身大のタレントとしてみてきた。最も印象的だったのは「俺たちの旅」というテレビドラマで確か日曜日の8時からだった思うが、毎週見ていた。カースケというのを中村雅俊が演じていて、他に田中健とか秋野太作(当時は津坂まさあきと言った)が出演していて、若者たちの友情や悩みなどを軽やかに描いていて、ぼくらは自分たちを重ね合わせて共感し、また勇気をもらったりしたものだ。

そんな中村雅俊が突然五十嵐淳子と結婚したときは、ぼくを含めて多くの男たちが嘆き悲しんだ。今の人は知らないでしょうが、「阿寒に果つ」という映画で観た五十嵐淳子(当時はまだ五十嵐じゅんと言った)は、もう言いようのない可憐さであった。もう許してあげるは中村君。

中村雅俊は、芝居と歌というようにマルチで活躍している。マイク真木もそうだが、こうしたハイブリッド型のシニア世代がどんどん出てきて残りの人生を謳歌するのを見せてくれることはいいことだ。 ということで、テレビ東京で昔のことを思い出しながら、ビジネス番組でなんか商売のネタになるようなことはないか探しているのです。



ユーザ目線のBPM(5)

システムをデザインする

それでは、奥出直人の言う「デザイン思考による創造のプロセス」にもとづき、情報システムの開発について考えてみることにする。

「デザイン思考による創造のプロセス」とは、“社会的背景や哲学的背景を踏まえた上での考え方、作り手の問題意識を表わす哲学を考えるところから始めて、具体的に何を作りたいかビジョンを決め、それを持ってフィールドワークに行き、どのようなものを作るかコンセプト/モデルを作り、機能やインタラクションを検討しながら実際の設計デザインを行い、実証する。つぎにビジネスモデルを構築して、実際の運営方法を決定する”プロセスのことと言っている。

そのそれぞれのステップについて追いかけるが、より重要なプロセスとして上流のプロセスの最後であるデザインするところまでを取り上げる。

まず、ステップ1「哲学とビジョンを構築する」ことだが、企業の情報システムであれば、会社の経営理念や方針あるいはもう少し狭くて部門の運営方針といったものが哲学やビジョンに相当する。さらに、最近よく言われるEA(Enterprise Architecture)もこれにあたるものである。

ついで、ステップ2「技術の棚卸とフィールドワーク」は、従来の方法では、ビジョンからすぐにコンセプトへとつなげるが、ビジョンとコンセプトを明確に分け、この二つをつなぐ作業として位置づけられる。この考えが非常に重要である。

技術の棚卸しとは、アイデアや技術をたくさん集めて並べ、それをビジョンに割り振ってみるやり方であり、フィールドワークとは、ビジョンに基づき自分のビジョンを実現してくれるだろう「師匠」のところに出かけ、弟子入りし、みずからの経験を拡大していく、その記録を分析して「ワークモデル化」した段階で「魔法のシナリオ」と呼ばれるものを書く作業を行なう。「初心者であることは素晴らしい。それは自分の知らないことを知って、驚き、不思議に思う、その差分が価値を生むからだ」ということである。

これを、システム開発にあてはめてみると、いわゆる現場ヒアリングという行為に相当するかもしれない。しかし、いま実際にやられているのは単に現状業務の手順や問題点を聞いているだけで、ビジョンをきちんと確立してから行っているわけではないし、そもそもデザインするというマインドを持っていないと言える。ここは非常に重要なポイントで、ユーザニーズを聞くということももちろん大切だが、実現したいビジョンを頭の中に入れて、そのために現場のエキスパートをよく観察して分析する姿勢が肝要である。

ステップ3はいよいよ「コンセプト/モデルの構築」に入る。コンセプトというのは、アイデアをいくつか組合わせて、具体的にどのような技術でそれが可能になるかを検討していき、そこで生まれたビジョンを実現するための具体的な方法とその構造をいう。なおコンセプトには技術の裏打ちが絶対必要であることを忘れてはいけない。そのコンセプトを実現するための基本構造や仕組みを選んだり作りだしたりする作業を「モデル」を作るあるいは探すと呼ぶ。

そしてダーティプロトタイプあるいはラピッドプロトタイプと呼ばれる原初的なプロトタイプを作っていく。このあたりのやり方は、システム開発でいうプロトタイピング手法であるが、この場合はコンセプト形成はやってない場合が多く、しかもプロトタイプというとどちらかと言うと画面や帳票といったユーザインタフェースが中心で、システムの構造やプロセスの動きなどは分からないため、ここでいうステップの作業とはずいぶんと違う。

これからの開発で必要なのは、システム全体が見渡せるプロトタイプができる道具が要るということ、その道具は簡単に安く作れ、ラフなものからだんだん精巧なものへ進化させることができ、それを皆で議論しながらやっていける、そんなものが欲しいのだ。プロセスモデラーやシミュレーターみたなものが機能を追加すればこれにあてることができる可能性がある。

また、コンセプトの一部はEAから引用してくることができる。 このステップでおおかたのシステムの構造やプロセスの骨格が決まってくる。

上流プロセスの最後は、ステップ4「デザイン- デモンストレーション用プロトタイプをデザインする」である。デザインとは、機能を考えながら必要な要素を集め、構造や仕組みをつくっていく作業である。

これは、まさにコンポーネント開発に他ならないのではないでしょうか。そして、大事なのは、見えるもの(プロトタイプ)を早く作ってそれを見ながらデザインしていくということである。

こうしてみていくと、「デザイン思考」ということが、情報システムの開発にも適用できる、いやこうした思考方法が非常に重要であることがわかると思う。

なお、デザイン思考を活用するために使いこなすべき道具として、「経験の拡大」「プロトタイプ思考(build to think)」「コラボレーション」の3つを上げている。

この3つについて簡単に言えば、「経験の拡大」とは現場の人間の動きをよく観察せよということであり、「プロトタイプ思考」は見えるものを実際に作りながらスパイラルアップして行こうというものであり、同じ言葉が話せる精鋭による「コラボレーション」で作業することと理解できる。

今回は、「デザイン思考」によるシステム開発プロセスの有効性について書いたが、実際のワークモデルなどより具体的な手法の話まではここでは言及しない。なお、次回は、道具としてのBPMの可能性について考える。

2007年03月05日

ユーザ目線のBPM(6)

SAPの変化を見ると分かってくること

これまで、Whyと上位概念としてのHowを中心に、本当にユーザに役立つシステムを作らなければいけないこと、そのためにはユーザと作り手が一緒になってシステムをデザインするという思考が大事であるというようなこと議論した。

ここからは、どんな構造のシステムを作るのか、それをどんなMethodologyや道具を用いるのかというWhatとHowについて論じていくことにする。

まず、「道具としてのBPMの可能性」の前に、企業情報システムの変遷をみてみる。ここで教科書に書いてあるようなことを言ってもおもしろくないので、世界最大のERPであるSAPの変化の過程(SAPは進化と言っているが)を例に考える。

SAPのERPは現在「mySAP ERP2005」というのが最新バージョンであるが、その前1992年に投入されたSAP R/3というのが有名でこれによって大きく普及した。R/3というのは、メインフレームのシステムであったR/2からクライアント・サーバー型に移行したもので、今までばらばらであった基幹業務システムを統合し、システム間の整合性をとることに威力を発揮した。そしてよく言われたのが、バッチからリアルタイムへと変わるということで、その当時、一度入力するとすっと最後まで行ってしまうから入力するとき怖くて手が震えたといった話をしていたことを思い出した。このリアルタイムということには誤解があってそれについては後で述べる。

この時点でのERPの特徴は、統合化、リアルタイム化、標準化(グローバルスタンダード)であった。しかしながら日本ではこのうちリアルタイム性とグローバルスタンダードは合わないため、メインフレームで統合化されたシステムを持っているところは、それほど魅力があったわけではなかった。

そして、つぎに出てきたmySAP ERPで大きくコンセプトを変えることになる。それは、ESA(Enterprise Service Architecture)と呼ばれる、いわばSOAの概念を採り入れたことだ。そして、ポータル、データ連携、BI、マスタデータ管理などのシステム基盤であるNetWeaverをリリースしたのである。このESAのアーキテクチャは非常に重要でこの理解がないといくら新しいERPを入れても無駄だ。

わが国でもいま少しずつ分かってきていると思うが、おそらく本当にここを理解しいているひとは数少ないのではないでしょうか。だからまだ、アドオンをいっぱいして旧来型の作りにしているプロジェクトも多いかもしれない。どこがどう変わったかを検証すると、ここで議論しようとしているシステム開発の方法の参考になる。というか、結局めざすところは一緒なのだということがわかる。

新バージョンの価値をひと言で言うと「情報を起点としたオペレーションと管理」ということになる。すなわち、情報が業務のアクションを誘導することであり(これが最初に言ったリアルタイムということなのだ)、常に事業の状況を監視し、異常が生じたらワーニングする仕組みなのだ。

そのため必要なことは、シンプルで一貫化された業務プロセスでなくてはならないということと、それが可視化されていることが重要である。従来は、この業務プロセスがすでにSAPにあって、それを使えるかどうかと考えるイメージだったと思う。そして、もし自社のプロセスが合わない場合、2つの誤った方向に走ったわけです。ひとつは、無理やりSAPに合わせて窮屈な思いをする。もう一方は、現状システムを生かそうとしてアドオンの嵐となる。

これが新しいSAPの姿では、標準化された機能を組み合わせてプロセスを自社の要件に合わせて組み上げるイメージです。従って、自社のプロセスと機能(機能とプロセスは明確に分離することが肝要)を特定し、業務プロセスを個性化することができるのです。よく、ERPパッケージは要件定義する必要がないように言う人もいるが、このように要件定義が重要なステップになるのです。

「システムの枠組みにプロセスを合わせる」ことから、「プロセスに必要なシステムを組み合わせる」ことに大きく舵を切ったことをよく認識することが必要です。これって、なんかBPMでしょ。そうなのです。SAPの今の姿はSOA基盤に乗っかったBPMシステムなのです。

SAPという会社はこのパッケージだけに多くの人間を抱え、日夜開発にいそしんでいるわけで、それを考えるとIBMより大きな会社とも言えるし、そのシステム開発のトップランナーがこうした方向性を示していることは特筆すべきであろう。

余談になるが、奥出教授の「デザイン思考の道具箱」によれば、SAPの共同創立者であるハッソ・プラットナーはスタンフォード大学のデザインスクールに3500万ドルもの資金を提供して「デザイン思考」の研究を支援しているのだ。SAPの懐の深さを感じる。

疑わしきは罰せよ!?

「それでもぼくはやってない」では、「疑わしきは被告人の利益に」なるはずが、無実を証明できないため有罪になってしまったが、その理屈を他のところにあてはめるとどうなるのだろうか。

最近話題の「タミフル」は、服用後の異常行動との因果関係は証明されていないが、疑わしいと思える。タミフルの無実だって証明するのは難しいから、なぜ有罪とならないのだろうか。タミフルに冤罪はあるのか。冤罪がわかったとしてもタミフルの失われた人生を返せとなるのか、ならないのか。あるとすれば、タミフルを使用禁止したおかげでインフルエンザで死ぬひとが増えた場合だ。だから、厚労省も薬害と思われるのはいやだからではなく、薬には副作用があるがそれ以上に効能のほうが勝っているから使わざるを得ないとはっきり言えばいい。そうじゃないとなぜ使用禁止にならないのかという声が大きくなる。

そんなことを考えていたら、九州の光化学スモッグが最近増加してどんよりとした空が多くなってきたという報道があった。その原因はどうも中国らしい。中国大陸の工場や車から排出される汚染ガスが飛んでくるようだ。これも疑わしいという話だが、この場合は中国に光化学スモッグの原因がそちらにないことを証明しろもしできなかったら罰するぞなんて言えないですよね。そうなると、疑わしきは罰せずということになり、結局は疑わしいことが闊歩することになる。

と書いてみて、そうなんだぼくを含めて普通の人々は、こころの奥で疑わしくは罰すべきだと思っていることに気がついた。それが、「それでもぼくはやってない」のように冤罪を生む土壌になっていると言ったら大げさだろうか。

2007年03月06日

ユーザ目線のBPM(7)

Webの世界を見ると分かってくること

SAPのような企業の基幹システムの話とは別に、Webの世界で起きていることを簡単にレビューしておく。

まずはWebサービスという概念であるが、当初はSOAP、WSDL、UDDIというどちらかというと技術的な側面が色濃かったが、近頃ではサービスという意味合いも出てきていて、例えば、GoogleMapsに代表されるように公開されたWeb APIを使ってMashUpされたWebアプリケーションが続々登場しています。

技術的にもSOAP/WSDLに似たRESTなどが出てきて、今後REST準拠のWebサービスが企業のシステムには入り込んでくる可能性もあると思われる。REST(Representational State Transfer)を説明するのはむずかしいのですが、基盤となるアーキテクチャスタイルのひとつで、といっても抽象的でよくわからないので、リソースの状態の表現、例えばヤフーから得られた東京の天気予報などを指しますが、それをサーバーからクライアントに転送することとでも言ったらいいのでしょうか。

GoogleMapsのようなWebサービス以外でも、del.icio.usのようなソーシャルブックマークサービス、flickerのような画像共有サービス、mixiのようなSNSといったサービスも揃ってきました。これらがすぐに企業システムに使われるかというとそうではありませんが、例えば、路線検索サービスが旅費清算システムに組み込まれるといったことは現実になっているわけですから、様々な形のマッシュアップが今後増えてくると考えられます。

マッシュアップは、SAPの説明のときに言った「機能を組み合わせてプロセスを作る」ことと同義であると言えないことはないと思います。

野村直之さんの「Web2.0 for Enterprise」では、超短寿命時代の企業情報システム実現のために採用されるであろう手法について予測している。

(1)「エンタープラーイズ・マッシュアップ」(クライアントサイド)

(2)「XMLDBのスキーマ拡充やミドルウエア」(サーバーサイド)

(3)「軽量言語(Ruby on Rails等)の活用」(比較的小規模なサーバー)

(4)「“軽量”Webサービスやmicroformatsで連携」(必要な部分だけ作る)

これらを見ていくと自前のアプリを簡便な手法でWebサービス化したりして疎結合で安定したシステムを素早く作ろうという方向性が浮かび上がってくる。

業務プロセスのひとつの機能をサービスとみたてれば、これもまさにSOAの基盤の上にのったBPMと言えないこともない。

こうして、SAPとWebの世界を眺めていくと、最近の企業情報システムのあり方が見えてきたのではないでしょうか。そして、これらのアプローチや考え方、さらにはテクノロジーを融合して行こうというのがこの議論の大きなねらいのひとつなのだ。

なお、Web2.0の技術やビジネスモデルにについては後述する。

「デザイン思考の道具箱」を読む

社長(息子)がこの本おもしろいよと言ってもってきてくれたのがこれで、一気に読んでしまった。著者の奥出直人は慶応大学環境情報学部の教授で、社長は長いこと奥出先生の研究室にいて、あとがきで謝意を述べているひとたちに自分の名前が入っていることもあり、すぐに買ってきたようだ。

この本の趣旨は、「デザイン思考」によって新たな「創造プロセス」を築き「イノベーション」を起そうということ。

もはや従来型のアプローチではイノベーションを起すことができなくなってしまった。こうした考え方や方法論が経営戦略の立案やプロダクト、サービス開発に生かされてきているというものである。iPodの例などすごく面白かった。

創造プロセスは、哲学・ビジョンの構築→技術の棚卸とフィールドワーク→コンセプト/モデルの構築→デザイン→実証→ビジネスモデル構築→ビジネスオペレーションという全部で7つのステップから成っていて、それぞれにまた実際のワークモデルが提示されていて、非常に分かりやすい。

奥出先生はぼくも実際にお会いしてお話をしたことがあるが、知性のかたまりのようなひとで、大変な知識量と行動力、多彩な人脈など圧倒されますが、それと同時に理論だけではなく企業や大学の研究室などで実践におとしていることが素晴らしい。

ぼくは、いま企業の情報システムの構造と作り方を考えているが、まさにこの本に書いてある方法論こそ求めていたものであった。

それはそうと、タイトルがいいですね。デザイン思考という言葉とそれに道具箱と名づけたことが気に入った。そうなんです、何か作るときって道具が要るのに、意外とそのことについて言ってくれないし、おろそかにするひとが多いんです。道具とか技術の要素って重要であると思っていたので意を強くしたのであります。

2007年03月07日

ユーザ目線のBPM(8)

道具としてのBPM

さて、SOA基盤に乗っかった業務プロセスをデザインするにはどうもBPMがよさそうだということになってきた。でもBPMとは何なんだろう。Business Process Managementというけど業務プロセスをマネジメントするって実はよくわからない。

そこで提案したいのは、BPMのMはMapper/Modeler/MonitorのMであることです。すなわち、業務プロセスをデザインするための道具(これとは別にエンジンとしての機能はもちろんある)と考えてしまったほうがわかりやすい気がするがどうだろう。

Mapperというのは、機能あるいはサービスをマッピングするツール、またはハブとして機能させることである。

Modelerは文字通りモデリングするためのツールで、しかもシミュレーションができることが必要である。このツールを使いモデルを描きながらシンプルで一貫化されたプロセスになっているかを検証していく。このとき、重要な機能として制約条件やルールによるチェックが自動的に行なわれることが望ましい。

例えば、プロセスのひとつの構成要素であるタスク(アクティビティ)のつながりの中で前のタスクのアウトプットが次のタスクのインプットになっているかだとかプロセスに重複業務や迂回業務が発生していないかなどをチェックしてくれて、それに従ってシミュレート(評価)しながら作っていくと、自ずとめざすプロセスができあがるというのが理想的である。

Monitorは業務の動きを監視し、異常の発見をおこなう。ここでは、パフォーマンスの監視というより、むしろ業務の流れの停滞を見つけたり、目標からの乖離などを探る役割である。

どうも、ITに限らないことかもしれませんが、概念的あるいは戦略的なことを大きな声で言う人がいますが、ではそれが実際に実行できるかというと、実は方法論を持っていないことが多いような気がします。

また、素晴らしい方法論でもそれが使えるのはごく限られた天才でしかなかったといったことも起こります。ですから、あるレベルのスキルをもった人(誰でもというのは無理ですが)が、それを使うとだいたいできてしまうという「方法(メソッド)」が必要となります。そのメソッドをBPMと結びつけてパッケージ化できたら素晴らしいと思います。このメソッドについては後でもう少し詳しく議論します。

そして、このパッケージを使いこなし、最適なビジネスプロセスを設計できる人をビジネスプロセス・デザイナー(BPD)と呼びたい。これまで、システムエンジニア(SE)と呼ばれるひとたちがいるが、そのネーミングからいくと、どうもビジネスのことをちょっとおろそかにしているイメージだ。だから、ビジネスエンジニア(BE)と呼んだほうがいいと思っていたが、それでもエンジニアという意味が単にモノを設計する感じとなるので、これからはデザイナーのほうがしっくりいくように思う。


2007年03月08日

ユーザ目線のBPM(9)

BPM2.0

ここで、米国Intalio社のIsamel Ghalimiというひとのレポートを紹介します。この人はもう6年前にBPMのホワイトペーパーを描いた人でオープンソースベースのBPMSを提供しています。現在も盛んにBPMに関する発言をしていて、BPM2.0なんてことも言い出している。なぜ、ここで紹介するかというと、どちらかというとBPMは道具であるという視点でみているところがあるのであえて彼の意見を載せる。

まず、彼の言うBPM2.0について、Tim O'reillyばりに比較したものを抜粋して示す。

BPM 1.0                          BPM 2.0

Marketed to Business Analysts       Used by Process
Analysts

Starting with a Process Modeling Tool  Starting with
a CompleteBPMS

Multiple Tools from Multiple Vendors   One Single Tool
in Eclipse

BPEL, BPML, WSFL, XLANG, XPDL      BPEL

ARIS, HIM, UML, Proprietary Notations  BPMN

BPEL Editor                   BPMN Designer

Writing Code Behind the Boxes       Zero Code

Writing Deployment Descriptor Files    One Click Deploy

Application Connectors            Generating Web
Services on-the-fly

Bring your own Rule Engine         Rule Engine
Included

Bring your own BAM              Real-Time BAM
ncluded

Ad hoc Process Simulation          Native Process
Simulation

ただ、この中にはBPM1.0と2.0の比較であると必ずしも言えないものや、単に標準化されたことや技術的に集約されたことなども含まれているが、雰囲気的には、Process Design Toolのような感じがしませんか。

さらにおもしろいことを言っていて、

BPM 2.0 is not for non-technical business analysts. We’ll just let more technical process analysts understand business requirements and implement them directly into the process, while leveraging existing IT systems.

BPMは技術を知らないビジネスアナリストのものではなく、プロセスアナリストがビジネス要件を理解して、直接プロセスの設計・開発をしてほしいと言っている。また、

Neither top-down nor bottoms-up, it’s a middle-out approach, and it’s the only one that makes the gap any narrower.

このミドルアウトの考え方は、前に述べたようにユーザと開発者の距離を縮めることと同じ話なのだ

2007年03月09日

ユーザ目線のBPM(10)

システムの構造とアーキテクチャ

ここまでで、SOAという言葉が何回か出てきたが、このService Oriented Architectureというのは一体なんなのか、どういう定義なのかと、言ってみたが、極端な話そんなことはどうでもよくて、要はビジネスサイドかつシステム技術サイドからの変更要求に早く、柔軟に対応できる仕組みを作りたいだけで、SOAを実行することが目的でもなんでもない。だから、SOAを実践した事例はこれですなんておかしな話なわけで、システムを作ったらそれがSOA的であったというのが正しいのであり、サービスをつないでシステムを作ればみんなSOAでいいのだ。

このあたりは、4~5年前に筆者がシステムの構造をどうしようとしていたかを説明するのがいいのかもしれない。

当時、メインフレームかオフコン上の基幹業務システムの外でいろいろなサブシステムや情報系システムが作られていた。それが、ほとんど連携しないで独立していた形でせいぜいFTPみたいなものでつながっていた。そこにやっとWebサービスのような技術あるいはEAIやBPMのようなツールが登場し、システム間の連携ができるようになったが、まだ多くの問題を抱え普及は大きくは進展しなかった。

ただ、システム間の連携という場合、まずはシステムを構造化することが大事であると考えた。「構造化する」とは、(1)全体を俯瞰したうえで、構成要素に分解し(2)それらの構成要素間の関係を分かりやすく整理し(3)統合化されたモデルを作ることであり、それぞれのレイヤで必要になる。

例えばEAでいうところの政策・業務体系では、業務をコア業務とサポート業務に分けさらにサプライチェンサポートとプロフェッショナルサービスや定型業務に整理してみることや、適用処理体系では、ERPを使うのか、手組みにするのか、外部サービスを利用するのかとか、もう少しシステム寄りで入力・出力系のアプリケーションをどう配置するかだとかになる。

こうして、アプロケーションやシステムコンポーネントを整理した後、重要になってくるのがシステムの骨組みをどうするか、そこの血流をどうするかである。

こうした、連携・協調に対する骨格としては、ハブ&スポーク型の構造が有効である。まあ、有名なあのFedExモデルだ。例えば、各アプリケーションで生成されたデータは一旦統合データベースに集められて、そこから各ユーザに配信されるというイメージだ。

このような、ハブになる仕掛けがいろいろある。いまデータの話をしたがデータの場合のハブはEAIやデータウエアハウスであり、帳票印刷・配布なんかも同じ考えができる。(その当時はこの統合プリントシステムがなかった) また、機能のハブがBPMであり、処理(プログラム)のハブはデータベースである。

こうしたハブ&スポーク型の構造が今でいうSOAにつながっていると思っている。FedExモデルも当初は単にモノを運ぶだけの仕組みであったが、最近は空港の近くに倉庫を持って物流・在庫管理を含めたサービスも提供するようになった。ということは、当初はハブ&スポーク型の構造でデータやその他の情報を行き来させるだけだったのが、サービスという形に変えて連携するSOA型に進化してきたのは、FedExと同じだと考えればわかりやすい。

ということで、最近ではハブが企業内だけにとどまらずインターネット全体に存在し、単純な構造から網の目のような複雑で柔らかい構造になってきている。ここで言ったようにこうした展開は、別にSOAを意識したものではなくある意味必然的にたどりつく道であるような気がする。繰り返すが、SOAを構築しましょうではないのです、柔軟で変化に強い仕組みが作りたくて、できたものがSOAだったということなのです。


2007年03月10日

ブログの書き方

ここ数日、何となく元気がでない。このブログもビジネス関連を続けているが、他のネタであまり書いていない。でもだんだん快復してきたので何を書こうかなあと思案していたら、そもそもブログというのは何なのかと考えてしまった。日記なのか、備忘録なのか、エッセイなのか、時事批評なのかと、でもこれは別に枠にはめなくてもいいわけで、自分の好きなように書けばいいだけという当たり前の結論。

ただ、自分はこういうブログを書くのだというちょっとしたポリシーは要るかもねということと、日記や備忘録ではなく、自分の考えとか思いを書きたいとなると、自ずとその書き方というものがあるような気がする。やはり、たかがブログだけれど、根底に誰かに読んでほしいというのがあるのだから、読みやすい、わかりやすい書き方というものもあるはずだ。

そんなことに関して、梅田望夫さんがなるほどと思わせるいいことを自身のブログに書いていた。梅田さんは、文章を書くときの重要な3つの要素を「構造化」、「想定読者」、「書き手の個性」だと言っている。

「構造化」というのは、対象を幅広い視点から俯瞰して理解することで、「想定読者」は文字通り誰に読まれたいのか、訴えたいのかで書き方も変わるということ、そして、「書き手の個性」ということで、前2つはいわば普遍的なものであるので、それだけだと同じものになるかもしれないので、書き手による差別化が要る。読者は実は文章の向こうの「書いてる人」を読みたいものだという。梅田さんはそういうことをいつも考えながら文章を書いているそうだ。まさにこの3要素は重要で、ぼくもすごく難しくて実行できているかお寒い話ではあるが努力しようと思う。

このような、文章表現のお手本は「天声人語」(他の新聞社も含めて1面下のコラムのこと。いまは、読売新聞の「編集手帳」のほうがおもしろいが)なのかもしれない。あの限られた字数のなかで、起承転結をきちんとさせて、読書をうならせる術はたいしたものだ。ただ、ぼくらとぜんぜん違うのは、参照するデータベースがものすごいから、関連する情報がぽんぽん飛び出すので、文章に重みがある。

それで今日の朝日新聞を読んでいたら、「~天声人語から書く~  現役高校生の天声新語コンクール」の記事があった。これは、「天声人語」の第一段落に続く文章を競い合うもので、その結果が出ていた。この第一段落というのは、「ニュースの関心度を測る物差しはいろいろあるが、現場が遠いか近いかもその一つ。地球の裏側の都市で五十軒焼けた火事よりも、隣町のぼや騒ぎの方が、とかく耳目を集める」でこのあとに文章を続ける設定である。

最優秀賞に輝いたのは1年生の女子高生で、高校に電車で通うようになって、駅までの間で見かけるものが新鮮で面白く感じ、それが毎日変わることを自分だけが気づくことかもしれないが、新聞で読む世界の出来事と同じくらい大事なことだというようなことを書いていた。すごくセンスのいい文章で感心させられる。きっと彼女のブログ(あるかどうか知りませんが)も素晴らしいのではないでしょうか。

しかし、受賞した9人のうち8人が女子高生という完全な女性上位という結果。最近の文学賞の受賞者も女性が多いし、文章を書く能力は女性が優れているのかなあと嘆いているのであります。男性諸君がんばりましょう。

ユーザ目線のBPM(11)

どうやって開発するか

さていよいよ、開発方法の話になります。開発というと忘れらない言葉があって、開発につきまとう2つのジレンマについてのことだ。その2つの大きなジレンマとは

1.アプリケーション仕様のほとんどが、結局、ユーザの恣意でしか決まらないこと

・・・仕様を決定付ける科学的、工学的なモデルが存在しない

2.情報システムと人間の境界が、元来不安定であること

・・・実業務の様々な例外をコンピュータ上に乗せるか否か

ということで、このジレンマを克服しないうちは、前に言ったようにユーザとITがお互いに嘆きあう状況はいっこうによくならない。ただ、ユーザ側からみれば、ある意味当たり前で、システム屋が困ろうが知ったこっちゃないのであって、目の前にあるビジネスをどう切り回すかだけを考える。だから、ITはそこで役に立って当然で、ITが足かせになるなんてもってのほかなのだ。

極論すると、社長が“こうしたい”と言ったらすぐに実現しなくてはならない。昔、松竹新喜劇の藤山寛美がリクエスト公演というのをやったけど、お客さんが望んだものをすぐに提供できるのがプロのシステム屋のすることでしょう。それを、“うちのお客はわがままなことばかりで全く困る”と言っているようではダメなのだ。確かに無茶なユーザがいて頭にくることは分かるが、そんなやつらを軽くさばくのがプロではないでしょうか。プロの定義は「ひとのせいにしないこと」だ。こうしたユーザの“ぶれ”とそれともうひとつ変化のスピードを前提とするなら、どうも従来型のアプローチでは対応が難しいように思える。ということは、システムの作り方を変えていかなくてはいけない。だからこそBPMが有効な手段である可能性を感じて探っているわけです。さて、BPMは”ビジネス機能、あるいはサービスをコンポーネントとして持って、それをBPMで組み合わせてプロセスを作り、それらプロセスの集合が業務アプリケーションとなる”と考えていきたい。その最初のコンポーネントを業務コンポーネントあるいは業務モデルと呼び、それをどんな方法で作るのか、あるいはどこかにすでにあるのかといったことが最初の議論となります。このあたりの試みはもちろんだいぶ前から行なわれていて、いろいろな角度からの検討があります。その結果としてERPやその他業務パッケージになったものもあり、また、データモデリングという切り口で見ているものもあります。そこで、少し最近の動きとして、「要求開発アライアンス」と「DOA+コンソーシアム」という2団体に注目してみていくことにします。両者のアプローチは違うが業務フローや業務モデルを描くという点では共通点があり、BPMが必要とする業務コンポーネントの生成についてどう取り組んでいったらよいか非常に参考になるし、場合によっては連携も考えられる。次回にこれらの団体の考えていることとその利用などについて述べていく。

2007年03月11日

お金の持ち歩き方

少し前に財布を落としてからじっと家にいておとなしくしている。財布を落としたことを嫁はん(この表現はOKなのかな?家内って言ってはいけないそうだから)からなじられるし、実質的にも、現金、キャッシュカード、クレジットカード、免許症、Suica、各種プリペイドカード、病院の診察券、会員カード、各種ポイントカード、呑み屋のおねえちゃんの名刺、みんななくなってしまった。とほほ。

大船の居酒屋で呑んでいてその店で財布からお金を出して、お釣りを直接ポケットに入れたところまで覚えていて、歩いて駅まで行ってすぐにタクシーに乗って、タクシー代はそのポケットにいれたお釣りで払った。そしてタクシーを降りて家に入ろうとしたら財布のないことに気づき、幸いタクシーがUターンして来たので止めて中を確かめたけどないのだ。ですぐ呑んでいた店へ電話したが見当たりませんという返事。万事休す。

その日のうちにキャッシュカードとクレジットカードを止めて、翌日すぐに交番に紛失届けを出し、二俣川に行って免許証の再交付をしてもらう。おお、金と時間のロス。しばらく買いたいものも買えない、呑むのも控えてという情けない状況になった。

ここでちょっと腹立ったのは、病院の診察券の再発行にお金がかかることで、ある病院で「再発行にはお金がかかりますがどうしますか?」、え、どうしますと言われても、よほど「再発行しなかったらどうなるんですか、診察してくれなんですか?」と聞き返そうと思ったがやめた。

ぼくは、いままで財布を持っていなかった。厳密に言うと、お金は財布に入れて持たないことにしていた。それと、カードや免許証は持ち歩かないことにしていた。なぜって、落とすかもしれないからで、よくズボンのお尻のポケットに半分出かかっている財布をみかけるが、そんなのを見ていると危ないからなのだ。それが、家で仕事をするようになると結構カードを使う機会が増えるし、自分を証明するのに免許証がいることもあって財布を買って使っていた。

というわけで、あれからは、財布は持たず現金をそのままポケットに入れ、カード、免許証は持ち歩かないことにした。まあ、みなさんも気をつけてください。

「サンマーメン」か「かつ丼」か

サンマーメンというのがある。知らないひとはサンマが入ったラーメンと思っている。これは、ラーメンの上にもやしやその他の野菜を片栗粉のあんで絡めたものである。冬の寒い時なんかでも中味がなかなか冷めないので汗をかくくらいだ。ぼくの大好きな料理で、おいしいですぞ。

以前、ぼくはこの料理は全国どこにでもあると思っていたら、何と神奈川県にしか(静岡県の一部にもあるらしい)ないのだそうで、びっくりしたが、そういえば東京にもないし、ましておや三重県では見たこともなかったと思いあたった。

このサンマーメンで有名な店が鎌倉の材木座にある。「中華 薊」という店で九品寺のすぐ近くにあり、テーブルで20席くらいの小さな店だがいつも混んでいる。ときどき行くんだけどだいたいがサンマーメンを注文する。やはりお客さんのほとんどがサンマーメンを頼むらしい。

ところが、ぼくが行っているときサンマーメンを頼む人が割と少ない。なぜだろうと考えたら、よくサンマーメンを頼むひとはガイドブックを持った遠くから来た人が多いようだ。近所の人たちは毎回サンマーメンを食べるわけではないので、そういうひとたちが多い時はそんなことはないということのようだ。地元密着の有名店はこういうことがよくある。

で、今日は、プールに行ったらあいにく競技大会があって一般の人が入れないとのこと、しかたなく、そこから北鎌倉に抜けて少し鎌倉を走ってみることにした。鎌倉駅を通り過ぎたところで、そうだ「薊」に行こうとひらめいて、そのまま直行。幸いにも駐車スペースが一台分空いたので待たずに入店。

さて、サンマーメンにしようかと思ったら、いやかつ丼だとなった。中華料理屋でかつ丼って邪道と言われるかもしれないが、ここのかつ丼はうまいのだ。中華料理屋特有のラードで香ばしく揚げたかつをのせ、ちょっぴり甘めでイケてるのだ。というわけで、本日はB級グルメの中華料理屋のかつ丼の巻でした。

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2007年03月12日

ユーザ目線のBPM(12)

「要求開発アライアンス」と「DOA+コンソーシアム」

「要求開発アライアンス」というのは、2003年5月にビジネスモデル研究会としてスタートし、2005年3月に「要求開発アライアンス」として発足した団体。豆蔵の人たちが多く参加していますが全部で13人が発起人みたいになっています。当初、「要求開発宣言」としてまとめられたものが、このアライアンスの趣旨を表わしているので、長くなるが引用する。

・情報システムに対する要求は、あらかじめ存在しているものではなく、ビジネス価値にもとづいて「開発」されるべきものである。

・情報システムは、それ単体ではなく、人間の業務活動と相互作用する一体化した業務プロセスとしてデザインされ、全体でビジネス価値の向上を目的とするべきである。

・情報システムの存在意義は、ビジネス価値の定義から要求開発を経てシステム開発にいたる目的・手段連鎖の追跡可能性によって説明可能である。

・ビジネス価値を満たす要求は、直接・間接にその価値に関わるステークホルダー間の合意形成を通じてのみ創り出される。

・要求の開発は、命令統制によらず参加協調による継続的改善プロセスを指向すべきである。

・「ビジネスをモデルとして可視化する」ということが、合意形成、追跡可能性、説明可能性、および継続的改善にとって、決定的に重要である。

これに基づき、モデリングのやり方やビジネスフローの標準化など要求開発の方法論が提示されている。

体系的でよくできていて、例えば「モデリングガイドライン」というのがあって、その中に「ビジネスフロー編」があるが、まずUMLアクティビティ図から業務の流れとシステムの関係を捉え、そのアクティビティの粒度の基準があって、それを調整して標準化するやり方が書いてあったりします。

ただこうした手法も有効かと思うが、トップダウンアプローチ的なところがあり、もう少し泥臭いやり方でいいのではないかと思ってしまう。

DOA+コンソーシアム」は、2003年12月に設立された。一体ここは何をめざすのかですが、この会の代表幹事であるデータ総研の椿正明さんの言葉を引用してみます。ちなみに、その他の代表幹事が東京国際大学の堀内一教授、株式会社エス・ディ・アイの佐藤正美さんという、DOAをかじったことがあるひとはびっくりするメンバーです。(3人が一同に会することも含めて)

システムの上流工程にモデルアプローチを適用するのが正解とされつつありますが、DOAなのか、それともUMLによるOOなのかについては、迷っておられる方が多いように見受けられます。さらにOOについては「人の数ほどいろいろなやり方がある」、また「DOAについてもいくつかのアプローチがある」ということで余計な混乱を招いているようです。 われわれは、「情報システムの製品は画面・帳票であり、これと直結したデータがシステムの基盤を作る」として、「まずはWHATとしてのデータを固め、次にHOWとしての処理を考えるDOAアプローチが正解なのではないか」と考えます。そして90年代、メインフレームからC/S、あるいはERPへのシフト に追われているうちに、「DOA技術の継承が中断され、危機的状況にあるのではないか」と心配しております。そこで「これを解消したい」との思いから、かつてのIRM研究会を思い出しながら、「DOA+コンソーシアム」を立ち上げることにいたしました。

狭く簡単に言うと、DOAとOOは対立するものではなくうまく棲み分けすることができるはずで、そのためにはUMLとの融合あるいはOOPとの接続が論点だとしている。

BPMではデータについてはあまり議論されていません。業務の構造は、プロセスモデルとデータモデルで表現されるものですから、しっかりしたデータベースの構築は非常に重要です。そのためのアプローチはDOAが一番です。ですから、BPMとデータモデルはうまく連携する必要があります。従って、DOAでデータモデリングすることは必須になると考えます。

詳しくは次回に。

2007年03月13日

ユーザ目線のBPM(13)

DOAによるデータモデリング

DOA+の手法についてはいくつかあって、代表的なのが「T字形ER手法」、「THモデル手法(PLAN-DB)」、Xprime(Xupper手法)、「三要素分析法(渡辺法)」などである。それぞれ特徴があるが、THモデル手法を開発したデータ総研の椿さんの考え方を中心に書いてみる。

前にも言ったように、業務モデルは「プロセスモデル」と「データモデル」から成り立っていますが、この業務モデルは実装独立であることが重要です。例えば、受注という業務を考えたとき、顧客、商品、数量、納期、金額などのデータが扱われますが、これはいつの時代でも変わらないもので、変わるのは実現手段です。従って、業務アプリケーションソフトウエアは「業務モデル」を実装手段を用いて実現したものとなります。ここが今まで一緒くたになっていたと思われる。

さて、業務モデルの構成要素を椿さんは次のように定義しています。

クライアント側の要素  : 「人」と「IO」

サーバー側の要素    : データベース、エンティティ、データ項目


これらの要素をフロー図やIOイラスト、概念DB構造図、データ定義書などに表現するわけです。そして、こんなことも言っています。

われわれの夢は、今は価値がないとされる業務モデルのコンテンツが流通し、市場価値を持つようになることです。ある単位の業務モデルリポジトリのコンテンツをライブラリとして貯え、これを適宜選択・組合わせて、自社に合ったデータモデルを構築することができれば、「パッケージに身体を合わせろ」と言った妥協を大幅になくせるものと考えます。これをアメリカより、1年でも2年でも早く実現するのです。そうすれば90年代に付けられた差を一気に逆転する可能性すらあるように思うのです。

そうですよね、椿さんはもう70歳を越えて益々元気なひとで、そのアグレッシッブさには頭が下がりますが、ぜひ夢を実現していきましょう。

つぎにDOAの条件として、「データ先行・リソース先行・概念先行」ということになります。データをプロセス/処理に先行して考え、イベントデータ(受注・出荷・請求など)より先にリソースデータ(社員・顧客・商品など)を固め、物理データベースより概念データベースを先行するという意味です。 こうして、DOAで業務アプリケーションの開発をやってみると、データ構造からみてつぎの6種類に分類できると言っている。

A.建設:見積-受注-建設計画-建設-検収

B.生産財製造業:受注-生産計画-生産-出荷

C.消費財製造業:販売計画-生産計画-生産-受注-引当-出荷

D.卸業:販売計画-仕入-受注-出荷

E.小売業:販売計画-手配-販売

F.サービス:契約-設定(工事/担保)-サービス-検収


また、企業はこのように基幹系業務は、A-Fの6種類に分類できるが、企業にはこのほかに、次のようなリソース(経営資源)整備軸とも言うべき6種類の業務アプリケーションがあるとのこと。これは、別な言い方をすれば、コア業務システムを支えるサポートシステムとも言える。

1.人材調達・育成(人事)

2.市場開発・保守(CRM)

3.設備建設・保守

4.商品開発・改良(PDM・PLM)

5.資金調達・利殖(財務)

6.情報システム開発・保守

まあ、ここではDOAがメインテーマではないので、かなりざっくりとポイントだけ書いてみましたが、何となくBPMとDOAの関係がわかったでしょうか。

例えば、上記業務アプリケーションに必要なデータモデルがあるでしょうから(なかったら、この手法で開発する)、それを使ってBPMでプロセスモデルを生成するというスタイルは有効のような気がします。というより、データモデリングとうまく連動しないといけないのです。

この他、これから注目したいのは、羽生章洋さんのABD(Activity Based Datamodel)や仕事の流れを表現するマジカあたりで、気になるところです。

割烹着のある店

昨日は、芝公園で日本BPM協会の交流会があったのでそこに出掛ける。事例報告やWGの進捗などの説明があって、夜は懇親会となった。立食だったので歩き回ってひとしきりいろいろなひととおしゃべりをする。そのあと、その会の幹事のひとりであるUさんと約束していた2次会へ行く。どこにしようかと言うので大門の近くの小料理屋にする。

ここは、「新日本料理 美正」というのだが、何が“新”なのかよくわからない。少なくともメニューはここ5年くらい変わっていない。板さんと女将のふたりでやっていて、さかながうまい店で、お客さんはまあ年配のひとが多く、落ち着いたところです。以前の会社が芝公園にあったのでそのときはちょくちょく接待なんかに使っていたが、ホント久しぶりに行きました。いつものように、お刺身とぼくの好きなさよりをあぶってわさびマヨネーズで食べるやつを出してくれました。

で、これからはその女将の話で、このひといつも着物を着てその上に割烹着をしているのだ。いまの若い人は割烹着なんて知らないかもしれないが、ぼくらのおかあさんは皆割烹着を着ていたのだ。だからって、萌えているわけではありませんので念のために。

あるとき、お客さんがいなくなったので一緒に呑んでいたら、なぜか話がぼくがそのとき住んでいた白山のことになった。下の息子と1年半くらい暮らしたことがあって、いつも近くの焼き鳥屋に行っていて、そこの夫婦とも懇意になった。話が進んで、その焼き鳥屋の話になった。そうしたら私もよく知っていると言い出した。何ということはないぼくのちかくのマンションに住んでいることが判明。しかも、その焼き鳥の娘と自分の娘が中学の同級生でよく知っているという話。大いに盛り上がったのであった。

前にも、たまたまバーで隣合わせたひとがぼくの家のすぐ近くのひとだったという話を書いたが、世の中狭いなあという続編です。

そのとき女将に「ねえ近くなんだから休みの日に一緒に呑みましょうよ」と誘われてしまった。もちろん「ハイ」と答えたが残念ながら実現しなかった。だって、いまどき割烹着を着る人の歳ってわかりますよね。

2007年03月14日

ユーザ目線のBPM(14)

業務プロセスモデリングの進め方

ここでは、業務プロセスのモデル化を行い、できあがったプロセスからある単位(粒度)で切り出してコンポーネント化する作業のとっかかりのところを議論することにする。

まず、要件を定義していくとき、トップダウンアプローチなのかボトムアップアプローチなのか、AsIs先行かToBe先行かという問題があります。ここでいうトップダウンアプローチとうのは、経営管理あるいは事業運営上必要となる要件、いわゆるビジネスモデル的なハイレベル要件から見るもので、ボトムアップアプローチというのは、逆に業務フローをまわすための要件、いわゆるオペレーショナルなローレベル要件からみるものであるが、当然両者とも必要なアプローチであるが、筆者は最初はローレベル要件から入って、そこを固めてからトップダウン的にこだわり要件を付加していくやり方が現実的であると考える。

同じように、AsIsかToBeかの議論もAsIsから入ってTobeへ持っていくほうがこれまた現実的だと考える。

理想的には、経営戦略や事業戦略からあるべき姿を描くほうが、BPR的だし、新しいシステムによって会社を変えるんだという意気込みのある企業にはいい