近頃、Web関連の本ばかり読んでいる。今回も高城剛という映像作家であり、DJでもある人が書いた「ヤバいぜ!デジタル日本」(集英社新書)を読む。
この本は、昨日書いたマンツーマンで押さえているひとの中の一人である野村直之さんが絶賛していたので買ってきたのだ。このひとは“Web 2.0 for Enterprise”の提唱者でメタデータという会社の代表取締役を務めるほか,法政大学大学院などで教えているひとです。野村さん曰く“ここ2カ月の間(昨年夏)にWeb 2.0関連の書籍を10冊以上読んだが,本書から受けたインパクトが最強であった”と言っている。
ということで、期待して読み進む。と確かに一見過激なことを言っているように感じるのだが、よーく考えてみると至極まっとうなことを言っている。要するに、未来志向が強い、悪く言うと先走り。ぼくもどちらかというと先走る方だから、彼の言っていることはさほど過激だとは思わないのかもしれない。
ざっと、高城剛が主張していることを列挙してみると。
・デジタルやITは終わった。特に世界標準の技術なきままに急速に成熟してしまった日本のIT産業は、すでに過去のものである。・インターネットはもう遅い、これからは携帯トリプルX(マルチな使い方をする携帯)だ。
・デザインの時代はとっくに終わり、またメジャー・コンテンツの時代も終わった。
今後は、個人コンテンツの映像化の時代になる。なぜなら、メディアの歴史がいつも映像に向かっているから。・直接的にコンテンツで稼ぐ時代は終わった。次はライセンスを多角化してポートフォリオ的に稼ぐことが重要。
と現状を分析しながら次の方向性を示した後、日本はこれからどうしたらよいかについて
・日本はこれまでの経済でアジアを引っ張ってきたのを文化で引っ張るようにしなくてはいけない。・ポップカルチャー、別の言い方をすれば、ハードとソフトをつなげて新しい提案をするスタイルビジネスを海外に輸出すべきだ。
・そしてハイブリッドこそが日本のスタイルでそこは世界で誇れることである。このスタイルとは、知恵のことであり、組合わせのセンスである。そういう意味では日本人は世界でもっともスタイリッシュな国民である。
さすがに、世界中を飛び回って、最先端の息吹を常に浴びている人の論はなるほどと思わせる説得力がある。確かに、このめまぐるしく変化する時代に、どうも過去の日本の栄光がもはや終わったことに気がついていないひとも多く、日本全体がおのれを見失っているように思われる。もういちど自分たちのカルチャーやライフスタイルを冷静かつ客観的に見つめなおし、強いところ弱いところ、延ばすところ改めるところを再認識する必要がある。
さらに、高城はハイブリッドなライフスタイルにするためにどうしたらいいかについても言及していて、少々長くなるがそのまま引用すると
1. ひとつのことにこだわりすぎず、可能性があるふたつのことを並行して進めるやわらかい発想をもつこと。2. 組み合わせ可能なものを探したり、組合わせるのがうまい職業の人を評価し、観察し、まねてみること。
3. 実際に、何と何とを組合わせると可能性や楽しみが広がるかを、自分なりに試してみること。
4. マルチスペシャリストを目指し、ふたつ以上の分野でスペシャリストになるためにどうしたらいいか徹底的に挑戦すること。
5. 生活時間帯を見直し、住む場所を見直し、自分なりのバランスポイントを早急に探し出すこと。
だそうだ。この提言はぼくにはすごく共感できるもので、いま実際にこのスタイルを実践している人が増えていると思う。ぼくも、そうなりたいと願っているのだが、いろんなことに手を出しているが、スペシャリストにはなっていない。でもこれって職業に限ったことではなく、趣味のような世界でも言えることで、それぞれの分野をうまくマッシュアップしてひとつのライフスタイルを作り上げるというのが肝要なのだ。