アメリカ側から硫黄島の戦いを描いた「父親たちの星条旗」に続く、日本側から描いた「硫黄島からの手紙」を観る。以前このブログで「父親たちの星条旗」を絶賛し、つぎのこの映画を早く観たいと書いた。
がしかしだ、ああ裏切られた。多くのひとが素晴らしい映画だとほめていたが、ぼくには並みの映画にしか映らなかった。
こういうときはコメントを書くのもいやになってしまう。だから、ここはYahooのユーザレビューから引用させてもらう。普段はあまりこの手のユーザレビューは気にしないようにしているし、Yahooの場合は、5点満点で点をつけていくやつなんだけど、1点つけているやつのコメントが、時に感情的になったり、トンチンカンだったりして嫌いなんだ。しかし、今回は1点をつけているやつのコメントがまともなんだ。ちなみに、この作品の採点では、全部で千人近くの投稿があって、そのうちの6割近くが5点満点つけていて、1点は30人という気持ち悪い結果になっている。
そのユーザレビューの最低点をつけたひとのコメントから
uocoxacquaさんのコメント
全体を通して手紙のやり取りが、ほとんど軍人側の数人の側に固定されてしまっており、相手側(家族・妻・子供など)の手紙や心情や想いはもちろん、硫黄島の時間軸に対応した郷里のシーンがほとんどありません。(中略)
日本向けに前作のオマケとして作られたという印象を受けました。seiko1101938さんのコメント
予告編を見たときから不安でしたが、ああ、やっぱりか、という印象。なんといっても、脚本が中途半端。硫黄島はもっと悲惨だったはずだし、守備隊を見捨てた東条内閣や大本営の非情さも、玉砕を囃し立てた当時のマスコミの姿も、まるで、描かれていない。主人公達の人物描写も、これまた、なんとも、中途半端。そもそも、二万一千人もの兵士を死なせる羽目になった栗林司令官の苦悩とやらも、見えない。(中略)
演出面でも洞窟内の状況が芝居のセットそのもので、灼熱地獄といわれた雰囲気がまるで感じられない。さらに、二万数千名もの将兵がいたとはとても思えない。好評の二宮だって、演技はいいが、あんな兵隊が日本軍にいたのか。しろうとっぽい役者も多かったし、一般人の着物姿も陳腐だった。残念ながら、「父親達の星条旗」に比べて、かなり、見劣りする作品だ。イーストウッド監督の目で、もっと、客観的に、非情に日本軍の実体を描いて欲しかっただけに、本当に残念です。
まあだいたいここに書いてあることがぼくにとってもがっかりしたところですね。日本人の監督が撮っていたらもっと違ったのではというひともいるが、そうではなくて、取材不足かもしれないことも含めて、クリントイーストウッドの力の入れ方が違ったんじゃないのかなあ。
「父親たちの星条旗」では、星条旗を翻した写真の裏側という”ネタ”を機軸に戦争の悲惨さやむなしさを描いて成功しているのだから、なぜ”手紙というネタ”をもっと前面に出さず、まともに戦闘シーンに行ってしまったのか残念でたまらない。
今回は“ひとのふんどしで相撲をとる”ことをゆるしてください。
コメント (2)
初めて書き込みます。この映画の感想,全く同感です。「日常生活では普通の人間であるが,いったん戦場にでると人間性を否定されて,戦わなければならない」というテーマはいわば戦争映画の定番のテーマのわけで,その中で,如何に人間を描くか,ということが製作側の力量を問われるところではないでしょうか?その意味では,少し,物足りないものを感じました。この暮れの映画のお勧めは,第一に“007カジノロワイヤル”そして,次に,“プラダを着た悪魔”ではないでしょうか?全くの私見ですけれど。
投稿者: いのちゃん | 2007年01月05日 12:17
日時: 2007年01月05日 12:17
書き込みありがとうございます。そうなんです、期待が大きかったので評価も厳しくなってしまったのかもしれませんが、もう少し何とかなった気がして残念でした。
お薦めの2作観てみます。
投稿者: mark-wada | 2007年01月05日 13:53
日時: 2007年01月05日 13:53